トマトも徐々に大きくなってきたので、しっかりと剪定し上手に仕立てていこうと思います。
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トマトの成長の仕方
トマトがどのように成長していくのかイラストを使って説明していきます。トマトの栽培をしたことがある人なら当然わかっていることなので読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
植物の地面から出ている茎の部分を主枝といいます。トマトはこの主枝から出た葉っぱの根元の部分から脇芽が出てきます。この脇芽が成長した側枝や主枝の成長の途中に花が付き、その部分がトマトになります。
イラストにあるように主枝(主茎)から出た脇芽をほおっておくと、その脇芽がそれぞれ成長して、一つの苗がとんでもなく生い茂ってしまいます。こうなると通気性も悪く病気になりやすくなるうえ、栄養もいたるところに分散してしまうので苗が疲れてしまいます。さらに栄養が分散したり、葉に光が当たらなくなることからトマト自体の質も落ちてしまいます。ですので、トマトもしっかりと剪定し、上手に仕立てなければなりません。
トマトの仕立て方
ネットでよく見る仕立て方を説明します。
まずイラストで説明しますが、非常にシンプルです。
脇芽を全て取るだけです。
トマトの脇芽は全て摘み取り、側枝は一切伸ばしません。いわゆる1本仕立てというやり方です。
トマトはそれほど強い植物ではないそうなので、2本仕立てや3本仕立てにすると、栄養が分散してしまうそうです。
ですので、脇芽は全て摘み取り主枝のみで栽培をしていきます。
トマトの栽培
トマトに限らず実を美味しくするためには、葉っぱで行われる光合成が重要です。そこで得られた栄養分(でんぷんや炭水化物)が実に運ばれ甘くなるわけです。そのため、実を大きくする過程で葉っぱの役割は非常に重要です。
ですが葉っぱを全て残してしまうと、通気性も悪くなるし、生い茂ってしまい、苗の管理もしにくくなってしまいます。
そんな時調べてみると、次の論文を見つけました。
トマトにおける維管束の走向と光合成産物の転流経路との関係
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjshs1925/69/1/69_1_69/_article/-char/ja/
2000年に東北大学の先生によって書かれた、トマトの維管束(栄養とか水分とか運ぶ管)と光合成で作られた栄養がどのように運ばれるかが書かれた論文です。
この論文では、花序(トマトができるところ)に運ばれる栄養分は、その下2段の葉っぱの光合成によって作られるものであり、それより下の葉っぱや、花序の反対側から出ている葉っぱからは運ばれないということが書かれています。
イラストで図示します。下の図のように実がなっている下2段から光合成によってできた栄養が運ばれてきます。実のちょうど反対側にある葉っぱからの栄養は実には運ばれません。
さらに詳しく見るために、論文からの画像を一部流用します。
1番目と3番目の実には1段下の葉っぱ(N8)から、2番目と4番目の実には2段下の葉っぱ(N7)から栄養が運ばれます。そして実の出る茎のちょうど反対側の葉っぱ(N9)はトマトに維管束が直接つながっておらず、栄養が運ばれません。
このことからトマトを収穫するときは、収穫と共にその2段下以下の葉っぱを全て取るようにしていきます。
芽かき
実際に脇芽を全て取り除いていきます。以下の脇芽わかるでしょうか?これを取ってあげましょう。
このくらいの大きさなら手でつまんで、チョイっと取ってあげましょう。
少しほっておくとこの脇芽がかなり大きくなってしまうので、そうなってしまった時はハサミで切り取ってください。
手で取ったり、ハサミで切るときは清潔な状態で行うようにしましょう。菌がついていると、そこからトマトの苗がダメになってしまう可能性もありますので、気をつけてください。
また脇芽は全て取るのではなく、最上段の脇芽は残しておいても良いと思います。
もし主枝が折れてしまったときにその脇芽を主枝の代用として伸ばして苗を大きくしてあげましょう。主枝が順調に成長すれば、最上段の脇芽のみ残して他は摘み取ってください。
ちなみに、摘み取った脇芽を土に植えると、さらにトマトの苗として成長しますよ!
最後に
この記事のまとめ
- トマトは1本仕立てにするので、脇芽は伸ばさず摘み取る。
- 最上段の脇芽は主枝が折れたときの代用として、残しておく。
- 脇芽を取るときは清潔な手やハサミで。
- トマトの成長に必要な葉っぱは、トマトの下2段。
- トマトを収穫したときに、不要な葉っぱは全て切り取る。
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